Alice 配列について
界隈で注目 (要出展) の Alice 配列を紹介。
TL;DR
- TGR-Alice は2018年に GB が行われた
- Alice 配列はエルゴっぽい
- Alice 配列は60%用キー + α でカバーできる
Alice 配列
Alice 配列とは、 TGR-Alice およびそのクローンのキー配列のこと。
TGR-Alice は、極少量が販売された EM7 というキーボードのレイアウトをベースにしたエルゴっぽいキーボードで、マレーシアの yuktsi 氏 が設計したキーボードの名称。 2018年に FCFS *1 で40ユニットのみの GB が行われた。*2 TGR-Alice / EM7 の特徴はなんといってもその物理キー配列で、通常の row staggered なキーボードを真ん中から内側に少し傾けた独特なレイアウトを持っている。
2019年あたりから geekhack などで "Alice layout" という言葉を見かけるようになった。 また、2019年以降に行われたキーキャップ GB では、 Alice 配列用の「右B」を含むキットを提供しているものも多く*3、Alice 配列がコミュニティにおいて一定の支持を得ていることが分かる。*4
Alice 配列の魅力
個人的には、TGR-Alice も EM7 も実物は未見なのだが、その配列の魅力を考えてみる。 最初に TGR-Alice の写真を見たときは全くピンとこなかったし、正直なところ、ちょっとダサいと思った。*5
通常の配列よりエルゴっぽい
本当に人間工学に基づくデザインかどうかは不明だが、右手と左手を少し離したホームポジションとなっており、さらに、 手をより自然な「ハの字」に置けるようキーが配置されているため、肩を開いた楽な姿勢で入力ができそうに見える。
キーキャップ的視点
Alice 配列は通常のTKL 用キーでカバーできる*6ため、キーキャップ好きには非常にありがたい選択肢となる。 ErgoDox, Preonic, Planck など一定の支持を得ている配列はキットが提供されることも多いが、すべてではないため、ものによっては泣く泣く GB をあきらめることもあったりする。(特に ErgoDox。というか Boardwalk。)
この観点では、TKL 用キーでカバーできる Alice は、ほぼすべてのキーセットが選択肢となりうる点で、非常に大きな意味がある。
Alice クローン
というわけで、コミュニティで一定の支持を得ている Alice 配列。
2020年7月現在、複数の Alice 配列をベースにしたキーボード IC が進行中で、個人的にいま最もホットなネタとなっているので、 次回あたり、注目している Alice 系ボードの IC を紹介したいと思う。