カスタムキーキャップについて
キーキャップとは
キーボードで人間が触れる部分。素材、プロファイル (キーの高さ)、色などが異なる様々な種類のものが存在する。 キーボード愛好家の間では、カラフルな色のカスタムキーキャップを好む人々も多く、キーキャップだけを購入、作成することが行われている。
素材
キーキャップに用いられる素材としては、木材、金属などもあるが、ほとんどは樹脂製で、多くは ABS 樹脂、または、 PBT (ポリブチレンテレフタレート) の何れかが用いられている。
ABS
2018年11月現在、カスタムキーキャップ市場において、おそらく最も多く用いられている。 加工が容易なため、ダブルショット (2色成形) キーキャップのほとんどは ABS 樹脂製。 使用頻度によるが数ヶ月使用すると、皮脂等によりテカリが生じる。このテカリを嫌う層と、「アジ」として許容する層がいる。
PBT
素材としては ABS より高級らしい。耐候性があり、摩耗にも強いため ABS キーキャップよりテカリにくい。 反面、加工が難しいらしく、ダブルショットキーキャップは少ない。印字には昇華印刷、レーザーマーキングが用いられることが多い。 確かに PBT 製のキーキャップの裏側を見てみると、 ABS 製にはない「ソリ」のようなものが見られる。
プロファイル
Alps はよく知らないので、 Cherry 軸についてのみ記載。 また、歴史的な事情などもよく知らないので、ここでは、私がキーキャップを漁り始めた2017年頃〜の内容を記載している。 2016年頃までは、ほぼ Cherry, DSA, SA くらいだけだったが、2017年辺りから新しいプロファイルが続々と登場している。
tl;dr
- Cherry
- 段差あり、低め。
- OEM
- 段差あり、中くらい。
- DSA
- 段差なし、低め。
- DCS
- 段差あり、低め。 Cherry に近い。あまり見ない。
- SA
- 段差なし、高さは異なる。高め。
- MT3
- 段差あり、中くらい。2017年登場。
- MDA (MIX, EDRUG)
- 段差なし、高さは異なる。低めの SA といった感じ。2018年登場。
一口にキーキャップといっても、その形状や高さなどによっていくつかの種類がある。Cherry, OEM, DSA, SA, MT3 などがそれ。 プロファイルは見た目だけでなく、使用感にも大きく影響する。
Cherry (GMK)
独チェリー社 (Cherry GmbH) のキーボードに採用されていたプロファイル。行によって入力し易いように段差が設けられている (ステップスカルプチュア)。 キーの高さは低め。
2018年現在、チェリー社ではキーキャップの製造を行っておらず、現在は、チェリー社より製造設備を譲渡された、独 GMK electronic design GmbH 社が製造を行っている。基本的には受注生産しか行わず、一般小売向けのものは製造していない模様。 GMK は、本家の設備を所有しているだけあり、日本語のかな有り、キリル文字、アラビア文字など様々なダブルショットの金型を保有しているよう。
OEM
高めの Cherry という感じ?よく知らないが、少なくともカスタムキーキャップ市場では影が薄い。
DSA
背は中間で、全行同じ高さ。 米 Signature Plastics 社が製造を行っている。中国系メーカーなどでも DSA クローンの製造が行われている。 行をまたいで物理キー配置を入れ替えることが可能なため、 QWERTY 以外の配列に適応し易いのは利点の一つ。
DCS
Cherry プロファイルに近い。 DSA と同じく、米 Signature Plastics 社が製造を行っているが、最近はあまり見かけない。
SA
背は高めで、行によって高さが異なる。キートップの文字 (レジェンド) も大きめで、昔のコンピューターに付属していたキーボードのようなレトロな印象で、人気が高い。 DSA 同様、米 Signature Plastics 社が製造を行っている。 普通のキーキャップよりかなり高さがあるため、好き嫌いが分かれる。
MT3
Matt3o 氏によってデザインされた、比較的新し目のプロファイル。 東プレのハイプロキーキャップのように、キートップの凹みが深め。
MDA (MIX, EDRUG)
2018年に登場した新しいプロファイル。低めの SA という感じで、個人的には結構好き。 新しいため、キーセットの種類はまだ少ない。
まとめ
長くなるので、今回はこの辺にしておきたい。
プロファイルについての詳しい情報は、 Deskthority を参照されたし。