30%, 40%, 60%, 65%, 66%, TKL ...
界隈でよく見かける 40%キーボード とか 60%キーボード とはなんぞや、という話。
tl;dr
フルキー (104キー) から見た、キーボードの大体のキー数を表す数字。数字に厳密な定義などはない。 大体なので、例えば47-48キーの Planck は実際には 48 / 104 = 46% となるが、40%と呼ばれる。
以降、各パーセントキーボードの代表的なモデルを紹介。
フルキーボード
所謂、よくある「キーボード」で最もキー数が多く、テンキー、ファンクションキーを搭載し、日本語配列では108キー程度ある。 全部入りで大は小を兼ねる感じだが、テンキーが不要な人種にとっては、横幅が長くマウスが遠いという問題がある。
テンキーレス (TKL)
フルキーボードからテンキー部分をバッサリ落としたレイアウト。パーセントでいうと80-85%といったところ。 市場に製品も多いため自作キーボード界隈ではそこまで多くない印象。 代表的な製品は、東プレ Realforce TKL など。
Realforce 86U
65% / 66%
HHKB は矢印キーも無いしキーが少なすぎる、、、という人にオススメ。
TKL からファンクション行と Enter の右側エリア (矢印キー、PageUp / Down、Delete / Insert、Home / End があるエリア) らいくつかのキーを落としたレイアウト。 Enter 右側エリアのどのキーを残すかはキーボードによって異なるが、多くは 60% + 矢印キー、PageUp / Down + α といった感じ。 キーがかなり少ないので、物理的に存在しないファンクションキーなどの入力に Fn やレイヤー切り替えを使用する必要が出てくる。
FC660C / FC660M
韓国 LEOPOLD 企画の66%。私が初めてこのレイアウトを知ったのがコレ。静電容量無接点方式の FC660C と Cherry MX スイッチの FC660M が存在する。 HHKB にカーソルキー、Delete、Insert を加えたようなレイアウト。
White Fox
Input Club が開発している65%。独立したカーソルキー、 PageUp、PageDown、Delete キーを備えるコンパクトキーボード。
NK65
米 NovelKeys LLC にて企画、販売されているコスパの良い 65%。
60%
普通に考えるコンパクトなキーボードといった感じの60%。
TKL からファンクション行、 Enter 右側エリアをバッサリ落としたレイアウト。基本的に矢印キーもない。*1 60%は普通に考えるとキー数がかなり少ないが TKL などからも移行が容易だし、一般的なレイアウトに近いため人気が高く、種類も多い。 代表的な製品は、HHKB、DZ60, GH60, Vortex Pok3r など。
Happy Hacking Keyboard (HHKB)
おそらく最も有名な60% (要出典)。60%というより、 HHKB と言った方が適切かもしれない、言わずと知れた PFU の HHKB。そのムダのなく美しいレイアウトは世界中にファンが多く、自作キーボード界隈でも人気が高い。*2 Rama Works の M60-A, Tokyo Keyboard の tokyo60, KBDfans の Tina C, KPRepublic の XD64 など多くのクローンがある。
GH60
様々なショップで取扱があり、ケース、プレートがバラエティ豊富な60%。そのためか、安価に作れるのも良い。
DZ60
前出の GH60 クローン。サイズ、ネジの位置が同一のため GH60 用のケース、プレートが流用できる。 GH60 同様に様々なレイアウトに対応しており、カーソルキー有無、分割スペースバーなども実装可能。
Infinity 60
Input Club が開発している60%。
50%
40% + 親指キーを2-4キー追加したようなレイアウトのボード。 40% のコンパクトさは良いけど数字キーは欲しいという人にはピッタリ。
Preonic
後述の Planck と同様 OLKB こと Jack Humbert 氏による設計で、 Planck + 数字行の5x12 (59-60キー) のボード。 60キーだから60%なのでは?という感じもするが、そんな些末なことはいいのだ。 olkb の製品は、 Planck もそうだが、なかなかのクオリティで気に入っている。 アルミ削り出しのケースも良いし、 PCB もスピーカー内蔵で、Rev. 3 はロータリーエンコーダーやディップスイッチも搭載可能だったり色々と遊べる要素もある。
Iris
Keebio で販売されている分割タイプの50%ボード。 キー数は、 Let's Split + 親指キー2-4キーの54-56キー。 使う前は end game だと思っていたが、使用頻度の低い数字列がもったいない気がするし、右 Ctrl, Shift の配置に困り放置中。
Ergo42
日本人の Biacco42 氏による、分割タイプの ortho 50%ボード。 名前に「42」とついているが42キーではなく2x (7x4)の56キーというところがポイント。 Let's Split + 縦に左右各1列あることでレイアウトの幅がかなり広がる。
40%
最初見たときは数字行すらないコンパクトさに驚いたものだが、使ってみると意外と普通に使える40%。キー数は47-8キーが多い。 2018年12月現在の私の普段使い (所謂 daily driver) は後述の Planck.
Planck
Ortholinear という言葉の生みの親、 olkb.com の Jack Humbert 氏設計の40%ボード。ソリッドな外観と完全な格子配列が美しい。
Let's Split
Planck をまんま分割したような40%ボード。
https://talpkeyboard.stores.jp/items/5c45165314444809b511e121
30%
実用に耐える最低限のキー数との説もある30%。キー数は30数キーしかないため、レイヤーを駆使することになる。
Gherkin
英語で「きゅうり」の一種を表す意味の ortho ボード。
Crkbd (Corne)
日本人の @foostan 氏設計の分割タイプの30%ボード。
https://github.com/foostan/crkbd
20%以下
界隈では、あまり20%キーボードなどという言葉は聞かないが、マクロパッドと呼ばれるショートカット専用キーボードが存在する。 キー数は、9キーや4キー、中には1キーのみのものも存在する。 テンキーは%でいうなら20%くらいになるだろうか。
M10-A
オーストラリア RAMA WORKS の10キーマクロパッド。 RAMA の製品はどれもそうだが、よくデザインされていて所有欲を掻き立てられる。
meishi2
Ergo42 作者 Biacco42 氏の手による4キーマクロパッド。 キー数が少なく組み立てがカンタンなため、自作キーボード入門に最適。